グレイヴ・エンカウンターズ
グレイブ

 前回に続いて(?)今回もホラー映画です。レンタルを字幕版で視聴しました。公式サイトがあったようなのですが、なぜかもう見つかりませんでした。これも心霊現象なのでしょうか……?
 そんなことはさておき、この映画はyoutubeで予告編の再生回数が2100万再生を超えたと一時期話題になりましたね。 ↓予告編  


 まず今作とは関係ないのですが、私はB級マイナー映画好きと謳っておきながら、これまでのレビューは全て有名作(?)なことをお詫びせねばなりません。私は映画を近くのゲオで借りてきているんですが、比較的にかなり小さい店舗なので、もうそこにあるB級ホラー映画を大体見尽くしちゃったんですよね。なので今は新作欄に並ぶ映画が旧作に落ちてくるのを待っている毎日です。

 ですが今回はドマイナーなB級も借りてきたので、次回以降の更新には期待してくださっていいかと思います。とりあえず今回は、グレイヴ・エンカウンターズです。



 さて、私はパラノーマル・アクティビティ程度で夜寝れなくなるレベルの怖がりなので、この映画は予告編を見た時から期待していました。予告編良かったですしね。予告編

製作 カナダ
公開 2011
配給 アルバトロス

あらすじ

超常現象や怪現象を専門とするテレビ番組を製作するチーム「グレイヴ・エンカウンターズ」。 今回は番組の第6話、彼らが撮影に訪れたのは廃墟と化したコリントウッド精神科病院跡。この場所で一夜を過ごす事となり撮影を始める。番組を盛り上げるために入口に鍵を掛ける。撮影の最中、次々と怪現象に見舞われ恐怖に怯えた彼らは脱出を試みる、しかし、鍵を壊して入ってきた玄関を開けるとそこには外であるはずなのに廊下が続いている。朝になれば迎えが来る予定となっていたが、誰も訪れないだけでなく日が昇らない。出口を探す中、彼らが目にするものは...(Wikipediaより抜粋)

ストーリー  
幽霊の質   
キャラクター 
世界観    
ホラー度   


総合     
おすすめ度  




【以下、ネタバレ注意!】



 まず上の評価を見て、『「幽霊の質」ってなんだよ』と思った方がいらっしゃるかもしれません。上の評価方式では、その映画の性質に合わせて評価項目を変えています。この映画はグロ要素はあまり重視されていないと判断し、項目を差し替えました。質の意味については後ほど。

 さて、今作は予告編の再生数がとんでもないことになったおかげで超(?)有名になった映画です。RECやパラノーマル・アクティビティのように、低予算を逆手にとってハンドカメラで撮影することにより、より怖さを増すという方式を取っています。どうでもいいですがこの方式、すっかり有名になりましたね。火をつけたのはやはりRECなのでしょうか? その辺のことには疎いのでよく分かりませんが。

 まあそれは置いておいて。見ての通り今作はホラー映画です。再生数が表す通り、予告編の出来はかなり良いです。


 そして予告編が一番面白いです。今作にピッタリな言葉を付けるとすれば「期待はずれ」でしょうか。


 まずストーリーですが、上のあらすじの通りです。基本的には、探索して、休憩して、また探索して、休憩して……の繰り返しで、非常にテンポが悪いです。これが今作一番の致命傷です。


 このテンポの悪さと双璧をなすのが、演出の悪さでしょう。この映画は見ての通り、廃病院で起こる様々な怪現象を見どころにしているのですが、その怪現象がとにかくしょぼい。

 具体例を挙げれば、出口に続く扉を開けたら廊下が続いていた、屋上に行く道が壁になっていた、4階と思ったら1階だった……などなど。出られない恐怖を演出したかったのでしょうが、基本的にこんなことが中盤から後半までずっと続きます。そりゃあ見ている側も飽きてきますって。


 かと思えば、急に超くっきりとした幽霊(パッケージのやつ)登場。というかこれ、幽霊でいいんですよね? さて、この幽霊なんですが、予告編を見ればわかるようになかなかの出来です。ただし、出てくるタイミングが酷すぎて全然怖くないんです。

 普通のホラー映画なら不意打ち気味に陰から後ろから……といったところを、この映画はご丁寧にも事前に出現ポイントを教えてくれるんです! 例えば、超意味深に置いてある血だまりの水槽の中から、泣いてる少女を後ろからねっとり撮影した後に……などなど、初見でも確実に怪しいと分かるタイミングでしか出てきません


 なるほど、これなら心臓の弱い方でも安心ですね!


 そしてなんとこの映画、幽霊らしい幽霊はこのタイプのみです。見ている側は「またお前か」と言いたくなってしまいます。
 
 さらに付け加えるなら、確かにこの幽霊出来はいいのですが、パッケージで自主規制するほど怖くはありません。こういった細かな点も、期待はずれを助長しています。



 つまり今作は、ほぼ「この超親切なあんまり怖くない幽霊+ワンパターンのしょぼい怪現象」しかありません。これが約90分続きます。

 しかも、ハンドカメラで撮影という設定のせいか、特に後半は主人公たちが休憩を挟む際などにブツブツと映像が途切れます。せっかく集中して見ていたのに、そのせいで緊張感もプツプツと途切れてしまいます。その後新しく映像が始まった瞬間にパニックシーンを持って来られても、口から漏れるのは苦笑だけ。こればっかりは本編を見てもらわないと伝わらないと思いますが、これも立派な後半の致命傷の一つです。

  1箇所だけなかなかビビったところがありましたが、この怖がりの自分であの1箇所だけかと思うと、見た後に悲しくなりました。ホラーというには程遠い出来です。



 ただし、廃病院から閉じ込められて出られなくなるというシチュエーションは、ベタですがホラーの舞台としては十分なものですし、幽霊も安っぽいCG丸出しという感じはなく出来自体はかなりいいです。俳優の演技も十分良質な部類と言えるでしょう。

 さらにキャラクターですが、今作のキャラは皆が平凡で誰一人として印象に残りません。しかし、ここにも立派な褒めるべき点があります。


 それは、ウザいキャラがいないということです! 「は?」と思われるかもしれませんが、これはかなり重要です。


 こういったホラー映画には、自己中心的な主人公ややたら叫びまくる女性キャラ、さらにはよく分からない宗教の狂信者など、ウザいキャラというのがよく登場します。そうなると見ている側は「あのキャラ早く退場しねーかな」という心情になり、もうホラーを楽しむどころではありません。

 今作は主人公が撮影厨で少々ウザいですが、そうでないと設定上話にならないので目をつぶれます。そしてそれ以外にはウザいキャラはいません。これは、余計な感情なしに純粋にホラーを楽しめる前提が出来ているという意味で、個人的にはなかなかの評価点でした。



 総じて、「ストーリーと演出さえ良ければ……」 と、いろいろと惜しい映画でした。ストーリーのテンポをもっと早くし、恐怖心を煽る適切な演出さえできていれば、かなり化けた映画であると思います。もっとも、そこまで行くともはや別映画という気もしますが……。

 暑い真夏の夜、友達同士で暇つぶしの一つとして見る分には、丁度いい映画ではないでしょうか。さあ、レンタルショップがあなたを待っていますよ!