おいしい食卓

 私事なのですが、最近やっと就☆活が終わりました。やっと一息つけそうです。よし、これからは映画三昧……と思ったら、すぐ後ろには卒☆論が迫っていました。要するに、これからも大体こんなペースでブログを続けていきたいと思います(小並感)。もしかすると更新頻度落ちるかもですが、よろしくお願いします。

 さて余計な話から始めてしまいましたが、今回はこちらの映画です。

おいしい


 発売 2010
 国籍 日本
 販売 ティーエムシー


 和製スプラッター映画ですね。レンタル版を視聴しました。今回もAmazon先生からあらすじを拝借します。


【あらすじ】
腹部に深い傷を負った深海は、激痛に耐えながら大金を持って森の奥へと逃げ込み、ある洋館へ辿り着いた。そこには家族が住んでおり、元看護婦の味蕾から傷の手当てを受ける。携帯電話の電波も届かず、電話回線も崖崩れで切断されている家。そして深海はそこで家族の恐るべき秘密を目撃する…。R-15指定作品。



ストーリー……C
キャラクター…C
設定……………E
グロ度…………C
ホラー度………D

総合……………D
おすすめ度……D

初心者おすすめ度 D

 スプラッター的な要素は良しとしても、とにもかくにもガバガバな設定と説明不足が目につく作品なので、おすすめはできかねます。




【以下、ネタバレ注意!】



 
 ジャパニーズ製のスプラッターです。私はスプラッター映画と言えば洋画なのですが、たまには和製もいいなと思い手を出してみました。



 とりあえず今作で一番気になったのは音量調節の下手さです。同じ音量で見ていても、うるさい時はとにかくうるさく、静かな時は何を言っているのか全然聞き取れないといった事態が頻発しました。

 もちろん、普通の映画でもこういった現象はありますが(特に銃撃戦、爆発のシーンなど)、今作は特にこれがひどいです。別にしょっちゅう爆発しているというような意味ではなく、会話中のBGMや草むらをあさる音がやたらデカかったり、マイクが遠いのか会話が聞こえない等、単純にシーンごとの会話や効果音の音量がバラバラなためでした。視聴時は、リモコンを持っての視聴をおすすめします。



 さて、ではストーリー評価に入っていきましょう。今作のストーリーですが、良くも悪くも普通の一言に尽きます。要約すれば『怪我して迷い込んだ先の家で助けてくれた家族が食人一家で、逃げようとするも捕まってしまい隙を見て反撃したが喰われた』となります。これ以上でも以下でもありません。

 前半の展開がだらつき、実は一家が食人をしていたことが判明するまで&まともなスプラッターシーンまでに相当の時間を要しますが、一家が一見普通に生活している側面と異常な行動を取る側面が交互に描写されており、不気味な感じ(を視聴者に伝えようという気持ち)が伝わってきたので、個人的にはまあなしではないかなと思います。

 まあ、スプラッター映画のストーリーなんてあってないようなものも多いので、この点は特に気になりませんでした。他の作品に比べるとスプラッターシーンがかなり少ないので、その点は注意してください。


 と、ストーリーはこのような感じです。キャラクターは無駄に人数が多いですが、特に魅力的な人物もおらず、平凡の域でしょう。


 スプラッターシーンは先述のように少ないですが、R-15なだけあって割と頑張っていました。チープな感じもしますが 「スプラッターなのだから逆にそれがいい!」 という人はいるでしょうし、冒頭の主人公が手術されるシーンはかなり痛そうな感じが伝わってきてよかったと思います。


 ただ一つ、不気味な雰囲気の描写の仕方が下手だったのでホラー度は低めですが、本命はスプラッターシーンにあるので許せる範囲内でした。



 総評ですが、良くも悪くも全てにおいて平凡な映画です。飛び抜けて良い点もなければ悪い点もありませんでした。他に書く点が見当たらないので、今回はこれで終了にしたいと思います…………



 という形で終われれば平和だったんですけどね。この映画、そんなことは許してくれません。


 この映画最大級の駄点は、クッソガバガバな舞台設定と説明不足です。まあこれがとにかく酷いです。


 ここでもう一度、あらすじの一文目を貼りますね。
 『腹部に深い傷を負った深海は、激痛に耐えながら大金を持って森の奥へと逃げ込み、ある洋館へ辿り着いた

 では、これについて解説していきましょう。まず彼が腹部に深い傷を負った理由ですが、明かされるのは本編開始から55分後です。この間主人公はおろか、彼を看病している一家ですら、彼がなぜ傷を負ったかについての話には一切触れてくれません。理由も聞かずに、血まみれで山中を彷徨う見知らぬ人を何日間にもわたって看病してくれるなんて、この一家は人間の鑑ですね。


 人は食いますけど



 「まあ、大方事故か何かやろ?」と思われた方、あらすじの続きを見てください。大金を持って森の中に逃げ込み、とあります。つまり彼、大金の入ったバッグを持って、森の中を血まみれで彷徨っていたわけですね。もう犯罪の臭いしかしません。

 しかも本編は、彼の怪我の理由を一向に明かしてくれないし、彼は「ここから逃げるためには、どうしてもあの金がいるんだ……」等と意味深なことを言って札束を探しに行ったりするシーンが挟まれるので、まずこれは単なる事故ではないだろうということだけは分かりました。誰がどう見ても、どう考えてもわけありです。


 結論から言います。ただのバイク事故です。しかも、55分間もその理由を溜めに溜めておいて、驚くほどあっさりと教えてくれました。


 じゃあ、あの大金はなんだったのか?

 分かりません

 結局最後まで、金についての説明は一切なし。彼がこつこつ溜めたものなのか、はたまた強盗でもしたのか……想像にお任せされてしまいました。



 さらにこの映画の舞台、とある山中の一軒家です。近くに家はなし(ここ重要)。主要道路が通っている様子もなし。

 ここで大きな疑問が。一家が食人をしているという事実についてですが、つまりですよ、人里離れた山の中で、多くの人が行方不明になっているわけです。日本の警察は、いったい何をしているんですか?

 まあ、山中での行方不明は普通遭難を疑いますから、ここはいいとしましょう。しかし作中、彼らは何と、彼らの家の電気か何かの工事(?)にきたおじさんをグサリ☆

 これは一番いけません。山中の一軒家に工事に向かったおじさんが行方不明になったとなると、さすがに雇い主の企業が動いて警察に通報、その山に捜索が入るのが普通の流れでしょう。当然、彼らの家にも警察が来るはずです。

 ですがこの世界の警察、びっくりするほど無能なので、まあなーんにもしてくれません。というより、そもそも出てきません。おそらく家族の誰かが、警察の上の方にコネクションでも持っているんでしょうね。

 本来、この手の映画で警察がーというのはご法度ですが、それにしてもこれは酷い。最低限のリアルさは保って欲しいです。


 とまあ、少し見ただけでも設定が超絶にガバッています。山中の一軒家なので、もしかして家の存在自体知られてないのかなとも思いましたが、工事のおじさんの一件に加え、電気もガスも水道も普通に来てますし、ラストでは宅配屋さんも来てくれるので全然そんなことないのでしょう。



 総評ですが、とにかく設定と説明不足。この二点に尽きます。工事のおじさんの件については、とにかく警察が超絶無能だったという設定で強引に乗り越えたとしても、あれだけ重要アイテム感を持たせに持たせておいた大金の説明が一切なしというのは、さすがに擁護のしようがありません


 スプラッターシーンの頑張りが伝わってきて、上記二点以外は平凡の域に収まっていたので、いろいろと惜しい映画でした。「電気も水道も来ていない山小屋にすむ食人家族」という設定に変えるだけでも、かなり雰囲気が出て良かったと思うのですが……。


 しかし、ここでこのような解釈もできるのでないでしょうか? この映画はもしかすると、真に対応すべき問題に対応してくれない日本警察への揶揄と、最も守るべき自分の命をないがしろにし、金という世俗にまみれたものに執着する人間の醜さを描くことで、現代社会に住む私たちに警笛を鳴らそうというメッセージが込められていたのかもしれない、と。そう考えるとこの家族は、そのような煩悩にまみれた現代社会から抜け出した、真に人間的で理想的な生活の縮図なのかもしれません。


 人は食いますけど



 まあ、そんな適当に書いたメッセージが込められているわけがないので、結局は平凡以下の一本でしかありません。仮に何か深い意味が込められていたとしても、面白くないのでやはり駄作です。

 ですが視聴にかかる時間が短いので、暇つぶしの一つにいかがでしょうか? レンタルする場合には、口直しのA級映画と一緒にどうぞ。