S.W.T.A. vs デビル

スワデビ

 国籍 アメリカ
 製作 2014
 販売 トランスフォーマー

 みんな大好きVSシリーズですが、原題はASYLUM レンタル版を字幕で視聴しました。日本語吹き替えはありません。
 予告編とAmazon先生のあらすじをどうぞ。

【予告編】


【あらすじ】
外界から隔離された精神病棟で、大規模な暴動が発生! 通報を受けた警察は、あまりに陰惨な現場の状況を察知し、S.W.A.T.の出動を要請。同時に、ベテラン交渉人マガヒーが、暴徒たちを鎮めるために派遣された。しかし、到着した彼らが目にしたのは、想像を絶する、地獄のような光景。電気も消え、不気味に静まり返った病棟に響くのは、この世のものとは思えない、悪魔の咆哮だった…。1人、また1人と、姿を消して行くS.W.A.T隊員。生きてこの場所を抜け出すため、マガヒーと戦闘エリート達による、正体不明の敵との全面戦争が始まる!

ストーリー……E
デビルの質……D
キャラクター…E
設定……………E
ホラー度………E
ギャグ度………D

総合……………F
おすすめ度……F

初心者おすすめ度 F


 少なくとも私は、これ以下の映画を知りません。




【以下、ネタバレ注意!】




 よくもこんなキ〇ガイ映画を!



 まず最初に言っておきますが、以下はこの映画について批評の嵐です。褒めるべき点は一箇所たりともありません。もし「この映画のファンなの」という方がいらっしゃいましたら、何も言わずに回れ右して下さい。まあ、ファンなんていないと思いますけど。


 さあこの映画ですが、パッケージからあらすじ、予告編までが完全に詐欺です。それはもう今まで見てきた あらすじ詐欺映画 バ イ オ ハ ザ ー ド X が可愛く思えるレベルです。逆にこの本編から、よくもまあこんな面白そうな予告編が作れたものだなと感心してしまいますね。(バイオハザードXのレビューは こちら


 まずこの映画、S.W.A.T.隊員は1人たりとも出てきません。デビルも出てきません。では、一体何が出てくるのかというとですね……それは、映画会社の編集者のおっさん二人です。


 この映画のあらすじを簡単にまとめるとですね、「デビル蔓延る精神病院に送り込まれたS.W.A.T.隊員達が、そこから脱出するためにデビルたちと戦う!」という内容の未編集映画を、編集者のおっさん二人が見ているというものです。つまり今作の主な登場人物は『S.W.A.T隊員たちに扮した俳優と、デビルに扮した俳優と、映画編集者のおっさんたち』です。


 要するに今作は、編集前のB級映画をおっさんの寒いツッコミ付きで見る映画なのです! 映画の中で映画を見させられるとは新しいですね。

 しかもこれ、たかだかこの展開は数十分だけで、後はそれを見た二人が現実世界でデビルに遭遇し……というような展開は一切ありませんガチで九十三分間、ずっと未編集映画を垂れ流される映画です。


 具体的な内容はですね……例えばよく名作映画のDVDに、映画本編が流れている背景で、監督と出演者がトークをしている特典が入っていたりしますよね? 「このシーンはこんな技術を使って……」とか、「ここで出演者と意見が合わなくてね」といった、映画の解説を入れてくれるあれです。

 この映画はまんまそのノリです。しかもノリはあのままですが、話の内容は似ても似つかない酷い内容。

 つまりですね、今作は映画が流れている裏で、どこの馬の骨とも分からないおっさん二人のツッコミとヤジが終始聞こえてくるわけです。


 しかもたちの悪いことにこのヤジ、音声設定で消せたり、ということは出来ません。あくまでヤジも含めて映画の本編です。はい、お察しの通り、完全にヤジが邪魔です。


 そしてその肝心のヤジの内容ですが、「この俳優あの映画に出てたよな」「今のシーンはビビるわwww」というようなどうでもいいものから「やたら冷蔵庫から(悪魔が)出てくるな」「実弾じゃねーから(撃っても)死なねーしwww」という寒いツッコミ、挙句の果てに、映画と全く関係ない 自分の恋人の話を始める 始末。


 しかもこのヤジ、面白ければまだいいのですが、これがびっくりするほど面白くありません。そもそもヤジ自体が本編と無関係なゲスイ話が多いので、聞いていてただただ邪魔なうえ、このツッコミで笑える箇所は極一部のみ、というお粗末さ。

 
 さらに、この映画内で流れるB級映画自体についてですが、こちらは設定上、まだ編集を加えていないという設定らしく、画面下に「(CGで)炎の色を変更」「ワイヤーを消去」等のように指示が出てきます。もちろんこれらのシーンでは、炎は赤いままですし、ワイヤーはくっきりと見えます。酷いものになると、一部グリーンバックの背景が丸見えという事案まで発生。

 そして本編終盤、この映画を見ていたおっさん二人が、画面外から衝撃の発言を!


 「最悪の映画だ」


 こっちのセリフだよ!



 そしてこの映画の終わり方はというと、映画内で流れたS.W.A.T vs デビルが終了した後におっさんたちが

「この映画、結末がなかったな」
「まあ結末がないことなんて、90年代の映画にはよくあったし」

 で終了!


 は?



 総評ですが、この映画は山場もなければ落ちもなく、そもそも見る意味すらないという恐ろしい映画となっています。これを見終わった後は「史上最低の映画と言われた、死霊の盆踊りといい勝負だった」と思いましたが、よくよく考えるとその感想は間違っていることに気が付きました。

 例えば、現時点最低評価だったバイオハザードXや、それを上回る(下回る?)出来の死霊の盆踊りでさえも、いくら面白くないとはいえきちんと編集が施され、一本の映画として完成されているわけです。それに比べると今作は、本編の出来がどうこうの前に、そもそも未編集という時点で映画として完成していません。未編集の映画を流すことを、おっさん二人のヤジで誤魔化しているという、映画の体裁を装っただけのただの映像です。


 つまり私が言いたいことは、今作は映画ですらありません。当然今作の評価は死霊の盆踊り以下です。恐らくですが、今後の人生の中でこれ以下の映画に出会うことはないでしょうし、また出会いたくないとも思います。

 このDVDの使い道としては、射的の的、カラスよけ、手裏剣代理といろいろありますが、残念なことにレンタルしたのならこのどれにも使えません。またバイオハザードXや死霊の盆踊りは副作用のない催眠導入剤として使えましたが、今作はごちゃごちゃとうるさいせいでそれにすら使えません

 ただ唯一の使い道として、九十三分という時間のありがたさを身に染みて感じることができます。もしかするとこの映画は、忙しい毎日を送る現代人への警鐘と共に、スローライフを送ることを提唱するものなのかもしれませんね。


 いつもは半ば強引にレンタルショップへ誘導する私ですが、今作は万人に対しておススメできないという恐ろしい内容なので、自信を持ってこう言えます。


 これを見ようとしているあなた、昼寝でもしていた方が有意義です。