レイク・モンスター 超巨大UMA出現!

 今回はこちらのモンスター映画。最初に言っておきますと、かなりの問題作です。

レイモン

 国籍 イギリス・中国
 製作 2013
 販売 トランスフォーマー許すまじ
 原題 LEGENDARY: TOMB OF THE DRAGON


 俳優さんは(多分)イギリス人多め、舞台は中国な映画です。主演の二人は、エクスペンダブルズというアクション映画に出ていたようですね。私も見ました。
エクペン

 さてレイク・モンスターの話ですが、レンタル版を吹き替えで視聴しました。英語版しかなかったのですが予告編と、Amazon先生のあらすじからどうぞ。

【予告編】


【あらすじ】
動物学者のトラヴィスの元に、大手建設企業からある調査依頼が舞い込んだ。湖近くの建設現場で、大きな生き物に食いちぎられたような遺体が発見され、次々と作業員が犠牲になっているというのだ。偶然撮影された映像には、全長6メートルを優に超える謎の未確認生物が映っていた。早速、現地へと向かったトラヴィスだったが…。突如現れた謎の巨大生物とのすさまじい戦いを迫力満点のアクションと緊張感漲るスリルで描く!

ストーリー…………B
モンスターの質……B
キャラクター………B
設定…………………B

総合…………………B+
おすすめ度…………D

初心者おすすめ度 C


【良い点】
飽きないストーリー構成
魅力的な主役とライバル
作りこまれたモンスターの設定

【悪い点】
パッケージ詐欺
あらすじ詐欺
タイトル詐欺

 話自体はかなり面白いのですが、モンスター映画を期待して爆死した方々の声がネット上に多く見受けられましたので、おすすめ度は下げざるを得ません。





【以下、ネタバレ注意!】





 内容自体が面白くても……そんなに(あらすじ詐欺で)人を殺していれば、いつかは報いが来る……!


 さて最初に言っておきますが、今作はかなりの完成度を誇る力作です。最近見た中では、ザ・スネークと並んでツートップでした。



 では早速映画の詳細なレビューに入っていくわけですが……その前に、一つだけ(右京さん風)。

 今作には、B級映画おなじみの凶悪な詐欺が、何と三つも含まれています。それは、「タイトル詐欺」「あらすじ詐欺」「パッケージ詐欺」です。


 始めにタイトル詐欺について。今作のタイトルは『レイク・モンスター 超巨大UMA出現!』ですが、まずこの映画はモンスター映画ではありません。いやいや、どう見てもモンスター映画やろ? と思われるでしょうが、そもそもこの映画に超巨大UMAは出てきません。じゃあ何が出てくるのかというと、それは体長6mくらいのオオトカゲです。

 次にあらすじ詐欺ですが、今作のあらすじは『出現した巨大UMAとの壮絶な戦いを……』的なことが書いてありますが、主人公たちの目的はUMAの捕獲です。決して戦うことではありません。またさらに酷いことに、DVDパッケージの裏面には『主演の二人が協力してUMAに立ち向かう!』的なことが書いてありましたが、主演の二人は終始敵対関係にあるので協力しません

 そしてパッケージ詐欺ですが、もう一度パッケージを見てみましょう。
 ↓嘘しか映っていないパッケージ
レイモン

 まずパッケージ左にデカデカと映っている怪物ですが、もちろん今作にこいつは出てきません。またヘリが墜とされていますが、当然こんなシーンはありません。さらにモンスターに立ち向かおうとしている二人も仲間ではなく敵同士なので、このパッケージは詐欺そのものです。これは酷い。



 つまりこの映画、いろいろと正しく書き直すならば『中国奥地の農村に出現した巨大なトカゲを捕獲するために動く主人公と、そのトカゲを殺すために動くライバルとの戦いを描く映画』となります。つまりこの映画において、モンスターの立ち位置はさほど重要ではありません"モンスター""重要な情報とかが入ったチップ"に置き換えても十分成り立つ話です。主人公サイドにとっての敵は、モンスターではなく、モンスターを狙う人間(ライバル)だからです。


 そのためこの映画を見る際、モンスターが暴れ回る姿やそれと死闘を繰り広げるシーンを期待して見てはいけません。あくまで話の主軸はライバルとの戦いであって、モンスター映画ならば当然入っているべきそのようなシーンはほとんどないからです。もちろん少しはありますが、そもそもモンスター自体が「ただのでっかいトカゲ」なので、期待通りというわけにはいかないでしょう。


 現に、この映画に関するネット上の評価の多くは『モンスターが暴れる姿を見たかったのにそんなシーンがなかった』『パッケージみたいな展開がなかった』『主演二人のアクションシーンが全然なかった』というものが多く、しかもそれらが多数意見のため、『映画の内容自体は面白いのに低評価が付いている』という現象が起きています。まるでワールド・ウォーZみたいだぁ……

 まあ、中には本当につまらないと思った人もいるでしょうし、私がこの映画を面白いと感じたこと自体が異常なのかもしれませんが……そもそも私は『パッケージ詐欺があろうが出ている俳優が誰であろうが、映画なんて内容が面白ければそれでいい』というスタンスなので、普通に楽しめました。

 個人的には「アクションの俳優が出てるからアクションシーンに期待してたのに、そんなシーンがなかった」という意見に対しては「そんなこと知らねぇよ(´・ω・`)と思いますが、「モンスターの活躍に期待してたのにモンスターが暴れるシーンが全然なかった」という意見に対しては、もう本当に同情します



 前置きがかなーり長くなりましたが、評価の割におすすめ度がクソ低い理由は100%これなので、長々書かせていただきました。皆さんこの映画を見ようと思っても、くれぐれもモンスター映画として見ないでください。この映画は間違ってもゴジラのような怪獣映画ではありません。ナショナル・トレジャーやトゥームレイダーのような冒険活劇です。



 さて、では純粋な映画自体の内容ですが、"冒険活劇としての"完成度は非常に高いです。


 ストーリーは、同じモンスターを狙うライバルとの対決が常に主軸にあり、モンスターと対決する頻度よりもライバルと戦っている頻度の方が圧倒的に上です。相手の陣地内に侵入して情報を集めたり、モンスターを前にライバルと戦ったりと、構成は完全に冒険活劇

 
 話は無駄なくテンポよく進み、しょっちゅうライバルとも対決し、また時々モンスターも顔をのぞかせるので、飽きることなく見ていられます。少しずつモンスターの生態について謎が解けていく描写は、見ていてわくわくしました。

 また冒頭や終盤にモンスターとの対決シーンがあるのですが、CG等含めそれら対決シーンは見ごたえがあってよかったと思います。全体的にモンスターのCGは標準以上の出来ですね。


 キャラクターは、仲間を思いやる主人公と絵に描いたような悪役のライバルが対比されていて、なかなか魅力的に描かれていると思います。


 そして特に設定ですが、これは冒険活劇物だけあって良く練りこまれていました。モンスターが今まで見つからなかった理由や、建設現場にしょっちゅう顔を出すようになった理由など、(若干突っ込みたくなる部分もありますが)あらかたの疑問には答えてくれたと思います。謎を残さないようにしようという姿勢には非常に好感が持てますね。



 総評ですが、B級映画としては冒険活劇としてかなりの完成度を誇る作品と言えると思います。無駄な会話が長々続くということはなく、敵対関係にあるライバルの陣地に潜入したり、モンスターの残した手がかりから対処法を探ったりと、見ていて飽きることなく楽しめました。

 半面、これら良い点は冒険活劇物として見た時の良い点であり、モンスター映画として見ればこれらは悪い点でもあります。主人公サイドから犠牲者はほぼ出ませんし、モンスターとの戦闘もかなり少なく、特に中盤はライバルとの話ばかりで全然モンスターが出てこないので、そのような視点で見ていた方は退屈されたことでしょう。


 結局、冒険活劇として見るのならおススメですし、販売会社の煽り文句やパッケージから判断して、モンスター物として見るのならおススメできません

 しかし、ここまで読んでくれた方の中で「モンスターが見たい」と思ってこの映画を見る方はまずいないでしょうから、個人的には是非ともおススメしたい一作です。続編をにおわせる終わり方でしたので、もし続編が出れば見たいと思っています。