ファイナル・デスティネーションシリーズ
ファイナル1
 
 国籍 アメリカ
 製作 2000~
 

 今回はいつものようなB級映画ではなく、れっきとしたA級、それも名作映画のレビューです。最近になってこの映画の存在を知り、すっかりはまって5作一気に見てしまいました。
 まあ、たまには名作映画のレビューもいいかなと。別にB級映画縛りをしているわけではありませんので。

 さて、今作はホラーのようなサスペンス映画なので、基本ネタバレは全力回避します。なのでレビューというよりは、おすすめ映画紹介に近いかもしれません。

 取りあえず、この映画シリーズはどんな話なのか、というところから始めましょう。1作目の予告編と、Wikipedia先生のあらすじからどうぞ。

【予告編】


【あらすじ】(Wikipediaより)

パリ修学旅行に向かう高校生のアレックス・ブラウニングは、 飛行機が大爆発するリアルな夢を見て騒ぎを起こし、離陸前に飛行機を降ろされてしまう。

巻き添えをくった友人や教師らを残して離陸した飛行機はアレックスの夢のとおり空中で爆発、運良く生き残ったかに思われた彼らにも再び死の恐怖が。

友人達が次々と死に見舞われる中、その法則性に気づいたアレックスたちは運命に逆らおうとする。




【以下、ネタバレ全力回避中】




 要するにこのシリーズですが、

①大事故が起きることを主人公が予知し、仲間を連れてそこから離れる
②実際に大事故が起き、本来そこで死ぬはずだった彼らはいったん生き延びる
③しかし、運命はあるべき姿に戻ろうとするため、結局1人ずつ順番に死んでいく
④主人公たちは死の運命に抗い、何とかそれから逃れて生き延びる方法を探す

という構成になっています。この構成は全シリーズ変わりません。全てのシリーズで、冒頭に大事故が起きます。これが今シリーズの見どころの一つです。

 つまりこのシリーズは、敵は幽霊でも殺人鬼でも、モンスターでもありません。『死』という運命です。この設定が当時非常に斬新で、今作を大ヒット映画に仕立て上げたようです。


 また今シリーズは、登場人物の死に方が非常にバリエーション豊かです。トラックに轢かれたり高いところから落ちたりという定番のものから、日常の行動一つ一つが積み重なって死につながってゆくという複雑なものまで、まさに見ごたえ満点。こればっかりは見てもらわないことには伝わりませんが、まさにピタゴラスイッチの如く一つ一つの細かい要素が死に繋がって行く過程は、見ていて心臓がバックバクします。


 そのため今作では、通常ではまずありえない死に方をします。『たまたま物が落ちた先が車のアクセルの上で、誰も乗っていないまま車が走り出して、それがドラム缶の束にぶつかって火の上に落ち、それらが爆発した衝撃で頭上のシャンデリアが落ちてきて死亡』のような滅茶苦茶な死に方をするシーンが、1作品に1回は必ずあります。

 上に書いた死に方は私が勝手に考えたものですが、実際の作中でもこれ以上の死に方がバンバン出てきます。このようなシーンは普通の映画だとまずギャグにしか見えませんが、今作では戦う相手が『死の運命』なので、どんな滅茶苦茶でご都合主義的な死に方をしても何の違和感もなく受け入れて見続けることができます。

 普通だと完全にギャグな死に方を、真面目に受け入れて見ることができるというのが、今シリーズ一番の強みだと個人的には思います。



 さて、今シリーズについてイメージを掴んでもらったところで、各作品の簡単な感想を。

 また下記には各作品ごとに5段階で評価を付けますが、下の評価はあくまでもシリーズ中での評価であって、Dだから他の映画と比べて面白くないとか、そういうことではありません。あくまで1作目を基準(C)としたときの評価です。


1作目:ファイナル・デスティネーション

ファイナル

総合評価 C(基準)
 記念すべき1作目です。冒頭の事故は飛行機大爆発。飛行機がトラウマになりました。

 死の描写がすごく丁寧で、それゆえ視聴者のハートをガッチリ捕まえてきます。ただし、最後の電線のあたりは少しだれ気味に感じました。しかしラストシーンが非常に衝撃的で良かったので、かなり面白かったです。

 また今シリーズは一作一作がほぼ話が繋がっておらず、主人公も毎回変わるため、どのナンバリングから見てもほとんど問題ありませんが、どれを見るにもまず1だけは見ておくとより楽しめると思います。


2作目:デッド・コースター

ファイナル2

総合評価 A
 名前が変わって、レンタル屋さんで探しにくくなりました。冒頭の事故は高速道路での玉突き。今シリーズ中でも屈指のトラウマ製造機です。しばらくトラックの後ろは走れなくなるでしょう。

 話の展開からオチまで、どれをとっても一級品です。特にラストシーンの優秀さはシリーズ一番だと感じました。1作目のDVDに入っている『もう一つのED』という未公開特典があるのですが、それを見た後だとより楽しめる……かもしれません。

 ファイナル・デスティネーションシリーズ中、私が最も気に入った作品です。


3作目:ファイナル・デッドコースター

ファイナル3

総合評価 C

 頭にファイナルが付きました。冒頭の事故はジェットコースター大暴走。個人的に、かなり怖かったです。

 死の描写は相変わらず丁寧で、悲惨な死に方も多かったように思います。やっていることはシリーズずっと一緒ですが、死に方がバリエーションに富んでいてまだまだ楽しめました。半面ラストシーンの衝撃は前2作品と比べるとかなり薄い&割と強引なので、その点残念ではありました。

 しかし、普通の映画と比べるとまだまだ名作の域です。

 
4作目:ファイナル・デッドサーキット

ファイナル4

総合評価 D

 間違いなく、シリーズ中一番の駄作です。冒頭の大事故はサーキット場でのクラッシュ

 前作までと比べて急にCGが荒くなったことに加えて、3D映画として公開されたせいか、とにかく物が飛んで来る系の死に方がやたら多いです。ラストシーンも3作目以上に弱い。シリーズ最大のヒット作らしいですが、それはむしろ前作までの功績でしょう。

 とは言え、あくまでこのシリーズの中での駄作なだけであって、この映画自体が面白くない訳ではないですし、そこらの映画と比べると普通に面白いです。

 余談ですが、この4作目になって、なぜかいきなり吹き替え声優に芸能人が多く起用されました。主人公はココリコ田中、ヒロインは里田まい、ついでにはるな愛もいたようです。ココリコ田中はうまい下手以前に声が役柄と合ってない、里田まいは普通に酷いせいで、とてもではないですが吹き替えで見ていられませんでした。吹き替えで見てきたシリーズだったので、非常に残念です。

 もちろんこれも仕事ですので、声を当てた方々を責める気は毛頭ありませんが、彼らを抜擢した吹き替え版制作陣はサーキット場へでも行ってください。


5作目:ファイナル・デッドブリッジ

ファイナル5

総合評価 B

 現在、シリーズ最後の作品です。冒頭の事故は鉄橋陥落。2作目と並び、シリーズ最高レベルの悲惨さです。鉄橋怖い。

 4作目が大コケしたのでどうなることかと思いましたが、CGの質も大きく向上して息を吹き返しました。トラウマになる死に方もなかなか多めです。特にラストシーンですが、久しぶりに衝撃と言えるラストでした。

 6作目の話もあるようなないような状態のようですが、個人的にはシリーズの締めくくりとしてこれで最適だと思います。




 以下総評ですが、このシリーズやっていることは毎回同じなのに、なぜかマンネリ感なく毎回楽しんで見れるというところが大きな売りだと思います。どのナンバーも、前半は死に方を、後半はストーリーを楽しむような構成になっており、その展開の仕方に非常にハマリました。

 幽霊等が出てくる怖さとは違った『日常に潜む死の恐怖』を体験できるので、 幽霊系のホラーが苦手な方にも是非おススメしたいシリーズです。