スポチャン対決 ~妖怪大決戦~(公式サイトはこちら

スポチャン


 今回は完全に番外編で、こちらの映画の紹介です。「何だこの映画!?(驚愕)」と思われたかもしれませんが、つい最近まで一部の劇場で公開されていた子供向け映画です。


 そのドマイナーな題材思考停止レベルの無茶苦茶な設定無駄に豪華な声優陣から、以前よりひそかに見たいと思っていたのですが、先日たまたま見る機会があり、せっかくなので記事にまとめようということでまとめました。

 ネタバレは控えようかと思ったのですが、『すでに劇場での公開は終了している&公式サイトで思い切りネタバレしている&そもそも子供向けなので、ネタバレというほどストーリーが厚くない』ため、あまりそのあたりの配慮については考えずにやります。そのため一応。

 ネタバレ注意です。


 まず、何はともあれあらすじからですよね。予告編と公式Facebookからあらすじを用意しましたので、まずはそちらをどうぞ。

【予告編】


【あらすじ】

昔から人間界が危機が迫った時、妖怪界では精霊妖怪と魔妖怪のどちら側が人間界に作用を及ぼすかを決める死闘が繰り返されてきた。しかし、今から300年ほど前に、魔妖怪を追って妖怪界に来てしまった剣崎竜斎の提案により、<死なぬ戦い>として武道で勝敗を決めるようになり、今回はスポーツチャンバラがその種目に選ばれた。試合は5人制の団体戦。それぞれの大将戦には人間の子どもが選ばれる。精霊妖怪側は仁を大将に選び、魔妖怪側は仁の幼なじみで仁がスポチャンを始めるキッカケを与えてくれた京二を大将に選んだ




 まず「そもそもスポチャンって何やねん」と思われる方のために軽く説明しますと、スポチャンとは遊びとして昔流行っていたチャンバラ遊びを、競技として発展させたものです。武器には、パッケージの主人公が持っているような、空気を入れた柔らかい剣を使います。劇中でもこれについては触れられますが、そんなことはこの映画においてどうでもいいことなのでスルーします。その理由は後ほど。


 さて、この映画のあらすじを見ても分かるように、今作は『妖怪同士でガチでドンパチするとヤバいので、代理戦争としてお互い代表を出し合い武道で戦わせ、負けた方は勝った方の言うことを聞く』というストーリーです。まるでGガンダムみたいだぁ……
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 さあ、では結局、この映画は面白かったのかというとですね、これが意外と面白いんですよ。まずは今作の良い点から。



 この映画の良い点は、堅実なストーリー展開と、主人公勢に魅力があることです。


 最初にキャラクターについて。これについては、正直よく出来ていると思います。中には完全に空気と化しているキャラクターもいましたが、特に主人公とそのライバルの男の子2人は、この話を通してそれぞれ大切なことを学び、大きく成長する様子が描かれていてなかなか魅力的でした。


 次にストーリー展開については、結構良好だったと思います。前半は設定の説明が若干多めですが、後半はバトル展開も多く、予定調和ながらライバルとの共闘やお互い成長した様子が垣間見える展開など、意外性はなくとも手堅い印象を受けました。ましてやこの映画は子供向けなので、それで正解だと思います。



 以下は、良いとまでは言えないまでも、まあこんなものだろうと思った点を。


 まず設定についてですが、かなり怪しい部分もあったものの、破綻と言えるほどの部分はありませんでした。強いて言えば、後半のメインバトルではスポチャンで勝負をつけると言いながらスポチャンのルールにあまり則っていないところでしょうか。しかしこれについては、バトルの見栄え上仕方ない措置であると思います。


 またバトルシーンについては、他のアニメ映画と比べて派手さには欠けるものの、スポチャンの武器などを使って戦うという制約の下に作られたことを考えるとなかなか良いと感じました。むしろ、よくここまでできたなと思います。



 以上にわたり、この映画の良い点などを見てきました。そしてこの映画、この強引な設定の割には、かなりしっかりと作られていたように思います。期待は全くしていなかった分、なかなか楽しめました。



 ただし一つだけ、この映画には見過ごすことのできない、明らかな悪い点があります。勘の良い方ならお気付きかもしれませんが、この映画で一番足を引っ張っている要素は何なのかというと、それは何を隠そうスポチャンを題材にしてしまったことなのです!

 もちろん、スポチャンで勝負をする理由や、妖怪と対決する際の絡ませ方などの設定はそれなりに上手い理由をつけていましたが、一番影響を受けたのはやはりバトルシーンです。

 武器はスポチャンの道具を使う(=飛び道具が使えない)という設定のせいで、バトルシーンではどうしても派手な演出を控えざるを得ません。「妖怪たちと戦う」という設定の子供向けアニメ映画としては、圧倒的にバトルにカッコよさが足りません

 そもそも前半部分ではスポチャンの説明自体に無駄な時間を割かざるを得ず、また一本取ったら勝ちという競技の特性上、映画としてあまりにもあっさりと勝負が付き過ぎますね。見どころとなる、主人公VS闇落ちライバルのバトルは一番その影響を受け、派手さ不足緊迫感不足あっさりとつきすぎた勝敗と、スポチャンを題材にしたことの悪い点がすべて出ていました。

 子供向け映画なんだからそのくらい……と思われるかもしれませんが、子供向けの映画でバトルに派手さが足りないというのは明らかに致命傷です。



 総評ですが、スポチャンで妖怪と戦うという制約の下に作られた映画として考えると、かなりの完成度と製作側の頑張りが感じられますが、そもそもスポチャンを題材にしなければこの映画の悪い点はおおむね解決していたため、そう考えるとなんとも残念な映画です。

 ただし、ストーリーの展開はなかなか良く、声優も豪華かつ見どころもまあまああるため、少年の成長を描いた映画としては結構楽しめると思います。