ドミニオン
ドミニオォン!
国籍 アメリカ
製作 2014
販売 アメリカ

 最近キングスマンとマッドマックス怒りのデスロードを見たけど、どっちも頭空っぽにしてアクション楽しめるいい映画だったと思う(小並感) で、その間に見たのがこれ。正直きつかったです(告白)

 どうでもいいんですけどこの映画、同名の別映画やら同名の有名なボードゲームなんかがあるおかげで、Yahoo!映画のページに辿り着くの地味に苦労しました。
 レンタル版を視聴しました。吹き替えはないです。まずはAmazon先生のあらすじからどうぞ。

【あらすじ】

人類滅亡まで残り5日― 人類よ、侵略に備えよ

元諜報局員でUFO研究者のロバートの元に、ある青年から取材依頼が舞い込む。
彼の名はジェイデン。自らを別の惑星から地球を監視するためにやってきた宇宙人だと言うのだ。
早速ジェイデンの元に向かったロバートは取材を開始するが、彼の口からさらに衝撃的な事実が告げられる。
秘密裏に地球の支配を進めていた凶悪な宇宙人・ドラコニアンが、5日後に人類への総攻撃を開始するというのだ……
 
ストーリー………D
キャラクター……C
設定………………D

総合………………D
おすすめ度………D

【良い点】
・予算がない中で頑張りました感は伝わってこないではない(同情)

【悪い点】
・とにかく見どころさん不足
・絶望的な状況でありながら絶望感ゼロ


 コンセプトというか、やりたいことはしっかり伝わってきますし、それを表現することも出来ているのですが、そもそもが面白くないので面白くないというなんとも残念な作品でした。Amazon先生とかでレビューを見ていると、「これはこれで面白かった」という人も割といる一方やはり否定的な意見も目立つので、それなりに人を選ぶ作品かもしれません。でも僕は面白くないと思いました(直球)






【以下、ネタバレ注意!】






 別に派手なドンパチも一級品のアクションシーンも期待してないけどこれはあまりにもひどいと思う(落胆)

 さて今作ですが、まああらすじにあるとおり、主人公のおっさんが見知らぬ青年(自称宇宙人)から「あと5日で地球滅ぶよ?」と言われてしまうというお話です。5日でどうしろってんだよ(半ギレ)

 というわけで、早速詳細な内容を見てゆきましょう……と、いつもなら良い点悪い点を見てゆくのですが、その前に一つ注意点というか、どうしてもお話しておかなければならないことについて話してからにします。それは、今作のストーリーについてです。


 この映画のあらすじ、というかスタートは上記のあらすじにある通り、「あと5日でドラコニアンという宇宙人が地球を侵略しに来るぞ大変だ何とかしなきゃ」で合っています。しかし本編の内容で言うと、おそらくこのあらすじを見た人が想像する内容とは180°違います

 この映画における一番肝心な部分、宇宙人が攻めて来るまでの5日間で主役のオッサンたちが何をするのかということですが、「基地に囚われてる恋人助けに行く&宇宙人が攻めて来るという情報とか機密情報をばら撒くこと」以上です。これ自体はよくあると思うのですが、今作に特徴的なのは、これこそがこの映画の目的であり終着点でありお話の全てであるということなのです。

 普通この手の映画というと、宇宙人の侵略に対して軍事的備えをしたりだとか、宇宙人の基地破壊したりだとか、侵略してきた敵戦艦とガチバトルしたりだとかいう、所謂人類を救うための行動が主になるはずであり、先に挙げたように情報ばら撒いたりだとか恋人助けたりだとかいうのは、話を盛り上げるための副次的な要素にすぎないはずなのです。

 しかし今作では、この副次的な要素こそがメインであり全てなので、他の宇宙人侵略物映画と比べるとかなり毛色が違います。もう人類救う選択肢なんてはなからなく、「完全な無理ゲーだけどとりあえず出来ることやろう」というような敗戦ムードが終始漂っているからです。当然、この展開が覆って人類は宇宙人の侵略に打ち勝ちハッピーエンド、というようなことにはならず、地球はバッチリ侵略され、人類は(一部を除き)ガッツリ滅びて終了、という何とも言えない終わり方を迎えるのでした。

 しかもこの映画、侵略が始まるまでのストーリーとなっており、宇宙人の侵略が始まる前に本編が終了となります。つまり何が起きるかというとですね、誇張抜きで人類と宇宙人との戦闘は一回もありません。そりゃ、主人公のおっさんどもが数人のおっさんと交戦するシーンは数回ありますが、それ以上の展開はないです。エピローグで「宇宙人攻めてきて地球吹っ飛びました」と言われるだけです。えぇ……。


 というわけで、これこそが今作のストーリーです。このかなりの変わり種を是とするか非とするかは人それぞれでしょうが、とりあえずこういう映画だということを前提として以下のレビューをどうぞ。ちなみに、僕は言うまでもなく非の立場でありんす。



 では早速、悪い点から見てゆきましょう。今作の悪い点は、とにかく見どころに欠けるということと、なにより絶望感が全く伝わってこないということです。


 今作は先に挙げたように、農耕な敗戦ムードが最初から最後までガッツリ続く映画であり、かつ人類と宇宙人との戦闘は一切ないため、全体的にとにかく盛り上がりがありません。主人公のおっさんどもがそこらを駆けずり回って残された時間を消費する様を見せつけられるだけの映画ですので、そりゃ盛り上がるわけもなく。しかしまあ、これは今作のコンセプトみたいなものなので、まだ許せます。擁護不可なのは次の点、絶望感ゼロということです。


 この映画、「あと五日で宇宙人が攻めて来る時間がない地球ヤバい」という設定かつ敗戦ムード農耕な雰囲気を醸し出している……というかなり絶望的な状況でありながら、その絶望感が全く伝わって来ないのです。その理由はですね、この映画とにかく戦闘が少ない上、宇宙人との艦隊戦や交戦に至ってはガチで皆無なため、宇宙人の実力が一切分からないからなのです。そのため今作、事態の重大さが全くイメージできず、結果として「地球が滅びるヤバいヤバいとか騒いでるけど、いったいどのくらいヤバい状況なのか分からない」という事態に陥ります。

 作品のコンセプト上、戦闘を少なくするのは別にいいですし、勝ち目のない絶望的な状況を終始演出するのも勝手にしろと思いますが、だからと言って、未知の相手を扱っておきながらその相手の描写が一切ないというのは正直言って話になりません

 どれだけ人間ドラマを重視したゾンビ映画にでも、ゾンビが人を襲うシーンはあります。どれだけモンスターの影が薄いモンスター映画にだって、モンスターが人を襲うシーンはあります。それは、その映画における敵の強さの程度を示すことで、視聴者に主人公たちが置かれている状況を伝えるために絶対必要な、いわば約束の一つと言っても過言ではありません。敵が弱いなら弱いなりの、強いなら強いなりの話の展開のさせ方というものがあるのですから、それを視聴者にイメージさせるために、敵の描写は絶対必要だと思うのです。

 しかし今作においては、その敵の強さを知るための描写がありません。それが殆ど話に絡んでこないのならまだしも、今作はそれでもって「敵が地球に攻めてきたら終わるわ」と口々に言いやがります。そんなことを言われたところで、こちらはその宇宙人がどのくらいヤバいのか、そもそも本当にそんな強いのかどうかすら全く分からないため、絶望感も伝わってこなければ緊迫感もなく、悲壮感を漂わされたところで反応に困るという始末。

 別に戦闘描写を増やせと言っているわけではありません。例えば今作、敵の宇宙人はすでに政府の高官たちとつながっていたりと根回しもかなり行なっている、という説明がこれまた口先だけでされるのですが、それを口で言うだけではなくて、例えばその宇宙人のことをネットに書き込むと直ちに消されるだとか、警察や軍への電話がすぐに切れて繋がらなくなるだとか、宇宙人のことを話した隣人がいつの間にか消えているだとか、何か「こいつらは本当にヤバい」と感じさせる描写を入れて欲しいということです。



 総評ですが、はっきり言って全然面白くなかった、以上です。予算のなさは切実に伝わってくるためその点に関して同情はできますが、それでもストーリーが酷すぎる。戦闘の少なさやコンセプトは別にこのままでいいとしても、敵宇宙人の実力を示す描写がないというのは話全体が非常に薄っぺらくなってしまうためやはり擁護不可。しっかりと敵の強さが分かる描写があれば、評価もかなり変わってくるだろうと思います。