オーマイゼット
 主演に釣られたことは否定しない(東京03ファン並感)。
 さてこちらですが、日本産のゾンビ映画です。いや、ゾンビを小道具にしたコント映画です。公式サイトは→こちらです
レンタル版を視聴しました。まずはAmazon先生のあらすじ&予告編からどうぞ。

【予告編】


【あらすじ】
全国民を震撼させた "ゾンビパニック"勃発から5年後の日本。事態は収拾し、いまやすっかり平和を取り戻していた。 
そんなある日、どこからともなく現れた一体のゾンビが花田さんちに迷い込んだ。 
居合わせたのは、花田夫妻をはじめ、動画投稿が趣味の高校生、町工場の冴えない社長、怪しげなインターン医師、 
そしてゾンビの生前の妻だと名乗る女。「あのゾンビどうする?」喧々諤々の議論が繰り広げられ、 
すったもんだの末ゾンビ捕獲に乗り出したとき、物語は予想外の展開を見せるのだった…。 
人間がゾンビを襲う! ?という定番の逆をいく設定で、人間たちの《滑稽で残酷なドラマ》を 浮かび上がらせる。 
本当に怖いのは、ゾンビなのか、人間なのか― 


ストーリー……B
ゾンビの質……C
キャラクター…B
設定……………C

総合……………B−
オススメ度……C

【良い点】
・キャラが個性的
・ストーリー構成が以外としっかりしている

【悪い点】
・オチ(ラスト付近の展開)が弱い

 内容的には、ゾンビ映画に期待するような要素はほとんどなかったと言って過言ではないと思います。ゾンビとの戦闘や逃走シーンはほぼ皆無で、ほとんどが安全圏での話し合いシーンだからです。しかし、キャラクターの個性は結構よく描き分けられていて、コメディやサスペンスとしてなかなか楽しめました。まあ、終盤はちょっとグダったけど……まぁ、多少はね?






【以下、ネタバレ注意!】






 ゾンビっていうかコント映画かな。
 さて今作ですが、ゾンビパニックが収束してから5年後の世界を舞台に、突如お家に尋ねてきたゾンビの処分をめぐり、登場人物のおっさんねーちゃん少年などの皆さんがゾンビ処遇会議を開催してお互いの腹の探り合いをする……というような内容の映画です。これもうゾンビ関係ないな?

 ちなみにですが、何度か申し上げている通り、今作の主演はお笑い芸人、東京03の角田さんです。私は東京03好きなんで、ぶっちゃけ主演に釣られて借りました。もちろん誰が出てようが評価は公正にするつもりなんで関係ないんですけど、一応ね。ほら、今作、評価分かれそうな内容なもので……。



 それでは、早速詳細な内容を見ていきましょう。まずは良い点から。今作の良い点は、キャラが個性的であるということと、ストーリー構成が意外にもしっかりしていることです。


 それでは早速。まず注意事項として、今作はゾンビ映画でありながら、ゾンビの出番があんまりありません。というのも、「ゾンビの処遇をどうするか、その場に集まった皆で話し合う」というのが今作のコンセプトであり、そのために今作ではお互いの腹の探り合いや会話シーンが映画の大半を占めるからです。

 しかし、ただゾンビの処遇を巡って会議したり会話したりだけでは面白くない、というのは制作側も百も承知だったでしょう。その証拠?に、今作の会話シーンは単なる世間話ないし言い争いではなく、面白く見られるような工夫がきちんと施されています。その1つが、キャラクターたちの個性が豊かであることです。

 今作のゾンビ処遇会議に参戦するのは、ゾンビにたまたま自宅に侵入されたおっさんを始め、ゾンビの妻を名乗る女に、ゾンビ売って一儲けを企む借金まみれのおっさん、ゾンビの動画撮って大物YouTuberになりたい学生に、医学の発展のためにゾンビを研究サンプルに欲しい医者など、中々に個性豊かなキャラクターが揃っています。こいつらが自分の主張をそれぞれに披露し合い、表面上は穏健に付き合いつつも、各々が狂気を内に孕ませて会話を進める様を見るのは中々に楽しめました

 またこいつら、この最初の紹介通りの人間ではなく、実はゾンビの妻だと名乗る人物はただの金目当て女だったり、医者を名乗る男は解剖が趣味のただの変態だったり……と、身分や立場を偽っている者が相当数混じっており、こいつらの化けの皮や本性が、伏線を通してわりと丁寧に剥がれていく……というのも、今作の見どころの1つとなっていました。この辺りの伏線の張り方や会話の進め方は本当に結構上手くて、言うなれば、今作はストーリー全体が丁寧に展開されていくのを楽しむ映画だったと言えると思います。

 個性的なキャラクターだけを売りにするのではなく、彼らに様々な顔をもたせて議論や会話をさせることにより、場所自体は家の中と動きませんが、展開や状況、場の空気などは常に動いている、という気分をもたせてくれるので、テンポの悪さなどを感じることもなく飽きずに視聴できた、これがかなり大きかったと思います。総じて、コメディとしても、サスペンスとしても楽しめる構成になっていたのではないでしょうか。



 とまあ、ゾンビ映画でありながら、あえてゾンビ以外の見どころを押していくという中々思い切った構成が個人的には刺さり、ここまで結構褒め称えてきましたが、そんな今作にももちろん欠点はあります。まあ、「ゾンビ全然出てこねーじゃん」というのは賛否あると思うので置いておくとしても、オチの弱さ、ないし雑さ、これは結構目につきました。


 今作、登場人物同士の会話、会議シーンは意外にも面白く、ゾンビそっちのけながらもそれなりに見所さんもあって楽しめるのですが、いよいよゾンビを捕獲しに全員が協力して動き出す終盤、この時のグダリ具合はどうしても気になってしまいました。何よりも、「動けないゾンビに指噛まれたらアウト! 噛まれる直前に指引っ込めろチキンレース」の件が結構冗長だった。

 このシーンは内容的にはその名の通りで、その場に居合わせた人物たちが、自分から動けないゾンビに指近づけて、噛まれる直前に引っ込める、というゲームをスリル欲しさのためだけに行うという内容なんですが、このアホみたいなゲームをその場に居合わせた全員+一人分、ガッツリ見させられるんですよね。これはさすがにちょっとだるかったかな、というのが気になりました。

 またその後の、お互いに抱えた不満やいざこざなどがぶつかり合い、登場人物たちが一気に死んでく場面においては、ぶっちゃけゾンビ関係なしのアホな死に方が多すぎ&かなりあっけなく、まるで使い捨てキャラのごとく人が倒れていくので、それまでの前振りに比べてかなりあっさりとした、拍子抜けにも近い感覚を抱かされました。在庫セールかよ。



 という具合で、総評に入りたいと思います。今作の総評としては、かなり変わり種、かつゾンビ映画に欲しい要素はほとんど入っていないけれども、見所さんやストーリー構成が結構しっかりしていて意外にも楽しめるなかなかの良作、ということにさせていただきたいと思います。

 そりゃ、ゾンビなんて全然出てこないし、舞台も動かないし、特にゾンビに関する設定上も気になる部分はあるけれども、それを差し引いても日本産ゾンビ映画としては良くできていたのではないかと思います。まあ、「こんなん映画じゃなくてただのコントじゃん」という声も聞こえてきそうな内容ではありますが……。

 内容的に賛否や好き嫌いは結構分かれると思いますが、個人的には悪くなかったと思うので、是非オススメ、とまでは言えませんが、興味があれば見てみてほしい映画であります。