サラリーマン・バトルロワイヤル
サラリーマンバトルロワイアル


 今回はこちらの映画をピックアップしましょう。レンタル版を吹き替えで視聴しました。まずはAmazon先生のあらすじ&予告編からどうぞ。

【予告編】


【あらすじ】
コロンビアのボゴタにあるベルコ・インダストリーズに出社した80名の従業員。いつも通りの業務が始まった矢先、突如会社のビル内にアナウンスが流れる。「8時間後に皆ほぼ死ぬ。30分以内に同僚2人を殺せば生き残る確率があがる。」と。安全のために避難しようとした社員たちだったが、その直後ビルの全ての窓は頑丈なシャッターで閉められ、状況を把握しようとする彼らにタイムリミットの30分がまもなく迫っていた……。

ストーリー………C
キャラクター……B
設定………………C

総合評価…………Bー
オススメ度………C

【良い点】
・気楽に、飽きずに見られる
・キャラクターの出来がいい

【悪い点】
・内容自体はかなりありがち

 基本的には結構しっかり作られており、話のテンポもなかなか良いので飽きずに楽しめました。率直に言えば、面白かったと思います。ただし、シナリオ自体はかなりありがちで、かつこちらの期待値を上回ってくるほどの面白さもなく、先の展開の予想がつきやすかったのは問題点でしょうか。個人的には、もう少し予測を裏切った展開が欲しかったです。





【以下、ネタバレ注意!】





 さて今作ですが、普通に仕事してたら突然会社全体が閉鎖され、生きて出るために社員同士での殺し合いを余儀なくされるという、なんというかタイトルまんまな作品です。運営に抵抗しようとしたら頭の中に埋められた爆弾が爆発してボルガ博士になるという設定もあり、完全に社会人版バトロワですねこれは……。というわけで、映画に対するイメージも持ってもらったところで、早速行きましょう。まずは良い点からです。


 今作の良い点は、キャラクターの出来が良いということと、気楽に飽きずに見られるということです。


 先述の通り、今作はいきなり社員たちが殺し合いを命じられる、というところからお話がスタートするのですが、さすが社会人ということもあり(?)、すぐ殺し合いが起きる、ということはありません。まずはみんなで状況の把握と今後どうするかの話し合いから始まります。その中で、「運営に言われることなんて無視して、みんなで協力してなんとか乗り切るべき派」の人と、「現実に目を向けて、殺し合いの可能性も視野に入れて話し合うべき派」の人との対立が深まっていくわけですが、この殺し合い視野派の人々もすぐに何か行動を起こすわけではなく、まずは武器集めや派閥内での結束など、下準備の作業から入ります。この、何かやらかしそうな連中がいても、それだけを理由に簡単に対応ができないというもどかしい感じとかがなかなかリアルで良かったと思った。

 また、各々がそれぞれ様々な考え方を持ち、自分たちにできる範囲でこの異常な事態に対する対応をしていこうとする姿が描かれていたのもなかなか良かったです。屋上から垂れ幕を垂らしてみようと提案する穏健派や、争いの元になる武器庫の鍵は上司の命令があっても渡さない警備員の鑑、またエアコン修理して少しでもみんなの気を落ち着かせようとする整備員の鑑に、水の中に何か仕込まれてるんじゃないかと社会のウォーターサーバー破壊して回る疑心暗鬼派、また、ここを出て妻子に会うためにダークサイドへ落ちて殺し合いを正当化する人や、殺しはしたくないという葛藤を抱えながらもそれに従う人など、みんながみんな「さあ殺し合いや!」という空気や「殺しなんてやめようよ!」みたいな空気にならずに、それぞれがそれぞれの考えを持って行動してくれるので、見ていてなかなか楽しめました。キャラ崩壊とか、クソむかつくキャラがいたりも特になかったので、キャラクター面の出来はさすがと言えるでしょう。

 また、そんなキャラクターたちが模索しながらそれぞれ行動していくため、やはり見ていて面白いです。殺し合い宣言から実際に殺戮が起きるまでは結構かかりますが、その間もイベントが結構ある&話のテンポもなかなか良いため、飽きずに見られました。また、ストーリーもかなりシンプルで、運営の正体とかも最後まで一切わからず、映画中は純粋に社内の状況だけに目を向けていられるため、難しいことは考えずに気楽に見て入られます。


 では、良い点は以上でした。続いては悪い点を。今作の悪い点は、内容自体はかなりありがちで予定調和感が強いということです。


 先ほど、今作は内容がシンプルなため気軽に見られるといいましたが、内容がシンプルすぎるというのもちょっと困りもの。まず、なぜか社内に武器庫があるため、社員同士の殺し合いというよりは、結局は武器を手に入れた過激派の一方的な虐殺になってしまうわ、武器庫に銃とかあるから社内という設定を使った殺し方(オフィス用品でとか)はほぼないわで、今ひとつ会社という設定をあんまり使っていなかった印象が残ります。

 また、運営に監視されている+頭に爆弾埋められているんで仕方ないっちゃ仕方ないないんですが、結局は運営の言われるがままに動かされていたのも気になりました。そんな監視されている状況でも、なんとか運営サイドの裏をかいて行動し、一矢報いてやろう、と足掻く人がいてくれても良かったのでは、と思います。まあ一応、主人公は最後やってくれますが、結局終盤まで過激派とのやり取りで一杯一杯でしたからね。

 これらのことから、今作は先の展開がかなり読みやすく、あんまりこちらの予想というか、期待を裏切ってくるような展開とか面白さはラストシーン以外ほぼ皆無で、かなり予定調和感が強い作品に仕上がってしまっていました。まあ、これはこれで気楽に見られるんですけど、せっかくこれだけの人がいるんで、「運営さえ倒せば殺し合いなんてしなくて済むんや!」みたいな人を出すとか、いっそ誰を殺すかを社会人らしくガチの投票で決めたりとか、武器を持ってなくても社内という状況と道具を存分に使って戦ってくれるキャラがいたりとか、社内の人間関係とか上下関係をうまく話に織り交ぜたりだとか、そういう展開が幾つかあっても良かったのかな、と思いました。



 総評ですが、総合的に見ると面白いです。面白いんですけど、やっぱり不満というか、物足りない部分が多いのも事実。個人的には、もっと運営に食ってかかる展開や、社内という状況をうまく使った展開があっても良かったかな、と思います。とはいえ気楽に見られて楽しめますので、気になられた方はいかがでしょうか! 「もし、自分の職場でこんなことがあったら……」という妄想をしながら見るのも楽しいですよ!
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