6トラップ
6トラップ

 本当にコンセプトだけは面白そうだった。なお、中身

 今回はこちらの映画。では、まずはAmazon先生のあらすじ&予告編からどうぞ。

【予告編】


【あらすじ】
6つの箱に閉じ込められた青年たちが同時進行で追い詰められるシチュエーションスリラー。ブリーの携帯電話に、友人たちから罠の仕掛けられた箱に閉じ込められたという着信が届く。その様子は動画サイトに配信され、6人の映像が世界中に流されていた。

ストーリー……D
キャラクター…C
設定……………D

総合……………D
オススメ度……D

【良い点】
・コンセプトは面白そう

【悪い点】
・緊迫感が皆無
・設定に無理がある

 B級映画恒例、コンセプトだけはマジで面白そうシリーズです。6人の若者がなぜか箱の中に閉じ込められ、その様子をネット配信される、という内容なのですが、設定に結構無理があることや、何よりもこの手の企画で大切な緊迫感がごっそり抜け落ちていることなど問題が多く、率直に言って途中で飽きました。もう少しこうなんとかならなかったのか。





【以下、ネタバレ注意!】





 お前の設定ガバガバじゃねーか。

 さて今作ですが、パーティーを楽しんでいた若者7人が突然意識を失い、気がつけばうち6人が謎の箱の中に監禁され、1人が司令塔となって全員の脱出を目指す、という死のゲームに強制参加させられる、というお話です。しかも、その動画はなぜかネット配信されているというおまけ付き。なんで最近の若者はすぐネット配信したがるんや(若者並感)

 では、早速今作の詳細な内容を見ていきましょう。まずは良い点から。


 今作の良い点は、物語の核となるコンセプト部分は面白そうだということです。


 パーティーに興じる若者7人。しかし気がつけば、6人がバラバラの箱に入れられていて、無事なのは1人だけ。6人はそれぞれ携帯を持っており、それでお互いに連絡を取り合うことはできるものの、各々が今どこにいるのか、なぜ箱に閉じ込められているのか、一体誰がこんな手のこんだことをしているのかなど、詳しい状況は一切不明。そんな中、1人だけ外部にいて全員とも連絡が取れる主人公が、それぞれの情報をまとめて整理し、友人を助けるために奮闘するのでした。

 このコンセプト、というかあらすじを聞いた時、自分は「これは面白そうやな」と素直に思いました。1人無事な主人公が、どのようにして仲間の居場所を探って行くのか。また、携帯だけを手に閉じ込められた6人は、どのようにしてこの事態に対処して行くのか……その面白そうな設定に、見る前はそこそこの期待を持って視聴し始めたのを覚えています。なお


 では、良い点は以上でした。続いては悪い点を。今作の悪い点は、緊迫感がかけらもないことと、設定がとにかくガバっている、というかとにかく陳腐なこと、その2点につきます。


 本編を見た限りだと、この映画は箱に閉じ込められてた6人がパニックに陥りながらもなんとか脱出を図る、というシチュエーションスリラー的な要素よりは、外で情報を集めつつ動いている主人公が真相に迫っていくサスペンス的な要素を重視しているのだろう……と思うのですが、残念なことに今作においてはそのどちらとして見ても非常に見所に乏しい。その要因は幾つかありますが、その大半は緊迫感不足とガバ設定に集約されます。

 まずは緊迫感不足。目が覚めたら、携帯片手に箱の中。そして携帯には、犯人からの謎のメッセージ付き。魔の手が迫る前に、登場人物たちは無事脱出できるのか? という感じで幕を開ける今作ですが、蓋を開けたその中身はとにかくお粗末の一言。犯人からは、「親には言うな」「警察にも言うな」というシンプル極まりない条件だけが提示され、あとは自由行動(棺桶内のみ)となるのですが、人が6人も集まっているのにこの状況を打開すべく行動しようとするマトモな奴が1人もいねぇの、マジで。

 自由行動解禁と同時に始まるのは、携帯を使った通話でのパニック全開な発狂会話と現状に対する愚痴の言い合いばっかりで、最も肝心な部分であるはずの「これからどうするか?」に関するマトモな話し合いがまるで始まらないのです。いやさ、「どうすれば自分が助かるのか?」「犯人の提示したルールに触れないよう外部にこの状況を発信する方法はあるか?」「なんとか場所を特定する方法はないか?」とか、考えること山積みなはずなのに、それしようとする奴が不在。しかも、ガラケーならまだしもスマホ持ってる奴も混じってるんですよ。おまけに、外部で自由に行動できて、事情も理解している主人公がいる+なんだかんだ警官も捜索に協力してくれるという特典付き。

 6人はお互い自由に連絡がとりあえ、それぞれ電波が通じる環境においてスマホ(orガラケー)を持っており、連絡が取れる外部協力者もいる。逆に聞きたいわ。こんだけ好条件揃ってて、なんでどうにもならないみたいな空気が漂っているのか。自分が助かるためにと、少しでも情報を整理したり考えを巡らせるキャラがなんでいないのか。

 いや、状況が状況ですから、パニクるなとは言いませんよ。でも、パニクるだけ、もしくは自分が捕まってるのをいいことに考えることを放棄し、「あとは外部の主人公に任せるわ」みたいな態度でどいつもこいつも全く情報収集とかに励まないのは見ていてただただイラつきました。これだけ条件揃ってれば、もっとどうにでもなっただろ感が凄いし、抵抗するための強力な手段(スマホ)があるにもかかわらず、生存のための努力もしないで喚いてるだけの奴らが死んでもぶっちゃけ「そう…」としか思えないしで、このてのスリラー作品に必須である緊迫感がまるで感じられませんでした。サスペンス要素を重視している+推理する側の主人公が、自由に被害者と連絡を取り合えるという設定にしたくせに、彼らから得られる情報はクソほどの役にも立たないものばかりで、むしろ無駄にパニックシーンが増えただけという完全なる采配ミス。まずこれが大きな問題その1。

 続いて問題その2。これほどの采配ミスを犯しているこの映画ですが、加えて設定もガバッガバと来ているので、サスペンス的な山場である「主人公が情報を統合して仲間の居場所を見つけ出すシーン」が物凄く軽く扱われており終始一切盛り上がらないという恐ろしい不具合も抱えていました。仲間から得られる情報がほとんど役に立たない中、主人公は犠牲者2人の発見場所を見て「おいおいこれってもしかして配置場所はランダムじゃなくて意味があるんじゃね?」という誰しもが真っ先に思いつきそうなことを口にします。そして、全員の特徴(親の職業とか特技とか)を考えた結果、「それぞれに関係がありそうな場所をリストアップしてみたら、それがちょうど五芒星を描くんや! だからこの五芒星上に他の仲間はおるで!」という、まるで小学生が思いつきそうな、推理も根拠もクソもないご都合主義満載の仮説を思い付く。

 「おいおい、そんな都合よく施設とかが配置されてるわけないだろ」と冷めた視線で見ていると、なんとその仮説が本当に正しかったようで、次々と救出される仲間たち。このシーンを見て私は思いました。多分この人「名古屋のコメダ珈琲結んだら五芒星になるよ!」っていう話を間に受けちゃうタイプの人なんだろうな、と。
 まあ、結果として主人公の考えが合ってはいたのですが、それまでの捜査やら何やらをガン無視して「うっわ五芒星できそうやわw」とかいう推理も何もないクソみたいな直感だけで事件解決、という呆気のなさには、もはや呆れることすら惜しいレベルでした。



 総評ですが、一言で言うとつまらない映画でした。サスペンスとしては推理や捜査周りの出来があまりにお粗末すぎるし、スリラーとしては緊迫感が出張中のため全くドキドキしない、というどうしようもない出来栄え。このゲームの様子をネット配信しているという設定もあるんですがほとんど息をしておらず、犯人の正体も別に驚きも何もないので、クソ雑五芒星推理による見せ場潰しの件もあり、終始盛り上がりに欠ける映画だったと思います。

 せめて、携帯の使用が制限されているとか、「親と警察にチクるの禁止!」とかいうクソお粗末なルールではない、もっと行動を制限されるルールが課されているとか、主人公、ないし閉じ込められた6人のうち誰か1人でも有能なキャラがいてくれて多少マシな推理を持って正解にたどり着いてくれるとか、何かあと1つでもあれば見られる出来にはなったんじゃないか、と思います。そのどれもなかったので、このような評価に落ち着きました。個人的にはオススメできませんが、コンセプトに惹かれて是非見てみたい! という方は止めませんのでどうぞ。では、今回は以上です。