がっこうぐらし!(実写版)
がっこうぐらし

 今日は、現在絶賛公開中の映画、がっこうぐらし実写版を見てきた感想を記憶が新鮮なうちにまとめてみましたので、見るかどうか迷ってる方は参考にして頂ければ幸いです、というスタンスの記事です。簡単にご紹介すると、この映画は一昔前に流行った『がっこうぐらし』という日常漫画を原作にした実写映画です。最近流行りの実写化映画ですね。

 さて、最近話題に事欠かない作品なので紹介は簡単に済ませますが、とりあえずあらすじと予告編を置いておきますね。

 の、前に!!! 注意事項です!
 現在公開中の映画であるため、この記事では映画本編のネタバレはなるべく避けて書いていくつもりですが、映画の広報の性質上、『がっこうぐらし』という作品のネタバレは大いに含みます
 そのため、原作漫画に興味がある、またはアニメを見ようと思っている方などは特に! 少なくとも1巻(1話)を見終わるまでは、この下は読まないほうがいいと思います!






 
 では、余計なお節介も早々に早速

【あらすじ】
学校で寝泊まりし、24時間共同生活を送る“学園生活部”に所属する女子高生たちの日常を描き出した、「まんがタイムきららフォワード」(芳文社)連載中の大ヒットコミック「がっこうぐらし!」(原作:海法紀光(ニトロプラス)、作画:千葉サドル)。2015年には、原作者である海法紀光がシリーズ構成を務めたテレビアニメ版も放送。放送時にはニコニコ生放送での配信数が200万回を超えるなど、ネットを中心に大きな反響を巻き起こした。そしてその人気は国内のみならず、海外にも波及した。そんな話題の「がっこうぐらし!」が待望の実写映画化!主演には、秋元康がプロデュースする“究極”のアイドルグループ「ラストアイドル」から、オーディションによって選出された4名を抜擢。映画初出演にして、映画初主演という華々しいデビューを飾った。また学園生活部の顧問として4人を見守る、めぐねえこと佐倉慈を演じるのはタレント・女優として活躍するおのののか。彼女が持つ柔らかな雰囲気で、ひとときの安らぎを画面にもたらしている。シャベルを愛する胡桃(阿部菜々実)、ムードメーカーの由紀(長月翠)、みんなのリーダー的存在の悠里(間島和奏)、そしてしっかり者の後輩・美紀(清原梨央)。個性豊かな4人の女の子たちは、時には笑ったり、時にはケンカをしたりしながらも、みんなで元気いっぱいのスクールライフを満喫中! のはずだったけど…。この学校は何かがおかしい…?

学園で共同生活を送る4人の女子高生の日常が一転、荒廃した校舎にはびこる大量の“かれら”の襲撃に彼女たちだけで立ち向かう―。
そのギャップが驚きをもって迎えられ、国内外で反響を呼んだ「がっこうぐらし!」(原作:海法紀光(ニトロプラス)、作画:千葉サドル)がついに実写映画化。
今回の実写化プロジェクトは、大ヒット作『呪怨』シリーズを手がけたプロデューサーが参加し、メガホンをとったのは、山田悠介原作の映画『リアル鬼ごっこ』をスマッシュヒットに導いた柴田一成。
Jホラーの歴史にさん然と輝くビッグタイトルを手がけ、“最凶の恐怖”を熟知するスタッフたちが満を持して送り出す本格派なパニック映画がいよいよ完成した。撮影は2018年の6月~7月にかけて実施。柴田監督が『リアル鬼ごっこ』で見せたキレのあるアクション、スピーディな展開などはもちろんのこと、10代の女の子たちの魅力を最大限に引き出すなど、本作でもその演出手腕を遺憾なく発揮している。
柴田監督自身、コミック版・アニメ版の「がっこうぐらし!」の大ファンであり、「絶対に原作の改悪はしない」「絶対にゾンビ描写は手を抜かない」を信条に本作に取り組んだ。女の子たちが勇気を振り絞り、仲間と共に苦難を乗り越え、そして生き抜こうともがき、あがき続ける。
そんな彼女たちの生きるパワーは、きっと観客に清々しい熱気をもたらすはずだ。


【予告編】

 はい、見ていただければ分かる通り、今作は日常系コメディに見せかけたガチガチのゾンビ作品です。特にアニメでは、可愛い女の子たちのゆるふわ日常系ものと見せかけてからの非日常への急転直下で話題を掻っさらいましたよね。しかも、意外にもしっかり練られた設定や素晴らしい脚本など評価点も多く、一発ネタだけで終わらない様々な魅力を持つ作品です。

 さて、そんな今作が実写映画化されるとの広報がなされてから、案の定ツイッターでは炎上に次ぐ炎上を重ね、開設されたホームページもホラー感全開フルスロットルな内容で大いに不安を煽ってきたり、予告編で思いっきりゾンビ映画であることをばらしたり(これは個人的には正解だと思っていますが)、本編に先立って公開されたスピンオフドラマでキャベツ検定に不合格したりと、公開直前まで火に油を注ぎまくりつつ、やっと迎えた公開初日の1月25日金曜日。世間の反応はと言うと……以外と高評価、ないし悪くなかったという声が多めという予想外の結果になりましたとさ。めでたしめでたし。



 で、終わるとあんまりにも味気ないので、以下には実際に私と友人(どちらも原作漫画、アニメ視聴済)が公開翌日に死ぬ覚悟で突撃視聴してきた感想を書き連ねておこうと思います。


 ①まずは大前提として……
 さて、以下にはちょろちょろと感想を書き連ねていきますが、中には褒めるべきポイントに言及することもあれば、不満点に触れたりすることも出てきます。ただ大前提として、今作の評価を一言で言うなら「良くも悪くも非常に無難で割と面白い」です。これは、今作を単純にいちゾンビ映画として見た時の感想としてもそうですし、がっこうぐらしの実写版映画として見た時の感想としてもそうです。まずは前提として、自分の中で最終的にはこの評価に落ち着いたということを言っておきたい。では、早速!


 ②褒めるべきポイント
 色々と言いたいことはある映画ですが、まずはこの映画の褒めるべきポイントについて解説します。

 まず絶対褒めるべき点として、この難しい実写化をきちんとそれなりの場所に着地させて来たこと、これは充分評価されていいでしょう。この映画を見て最初に思ったことでもあるのですが、今作の出来はがっこうぐらしの実写化として非常に現実的な落とし所をさぐった結果落ち着いた着地点、という感じがひしひしと伝わってきます。

 例えば、原作からのキャラ設定の変更。視覚的に顕著なポイントでいうと、めぐねえや由紀の髪色の変更ですね。原作やアニメではピンクや紫など、なかなかカラフルな髪色をしているキャラクターたちですが、映画のポスターを見ていただければ分かるように、今映画ではキャラクターたちのビジュアルは非常に現実的なレベルまで抑えられています。これについては賛否あるでしょうが、個人的にはこれがまず良かった。これが本当に日常系ゆるふわコメディ漫画の実写化ならまだしも、今作はシリアス要素も多分に含まれるゾンビ作品の実写化ですからね。髪色を本当にピンクやら紫やらにしていたとしたら、もう完全に単なるコスプレ大会にしか見えず、シリアスなシーンが全く頭に入ってこないという、映画の根幹にもかかる重大な欠点になった可能性が高いです。

参考資料[原作と実写映画キャラ比較]

がっこうぐらし2

 この他にも、今作にはオリジナル要素や実写化に向けた改変要素がちょこちょこあります。大きい部分でいうと、めぐねえが国語教師→保健の先生になっていたり、みーくんと出会う場所が校舎内になっていたりですね。しかし、これらをはじめとした改変は割と展開の都合上無理のないものに落とし込まれており、映画一本という時間の中で物語を完結させる都合で考えれば、全然許容出来る範囲に収まっております。改良ではありませんが、改悪では決してない、という感じですね。

 また、くるみを主人公ポジションに据え、くるみと憧れの先輩関連のエピソードを追加したのも実写映画的にはありでした。1番ゾンビと戦うのが彼女である都合上、彼女目線のエピソード追加は画面映え的な意味でも割と妥当だと思います。

 さらに1番重要だと思える、がっこうぐらしという作品の本質に関わる部分へのリスペクト姿勢。わたしはこの作品の本質は、衝撃的な展開がどうこうということではなく、非日常日常の対比」、もしくは非日常の中で日常を生きる魅力」にこそあると思うのですが、その部分のリスペクトは事前に打ち出していた不安満載の全面ホラーポスターたちからは考えられないほどしっかり出来ていました。ホラー部分やシリアス部分はもちろん大切ですが、それと同じくらい、もしくはそれ以上に日常描写の輝きはこの作品にとって大切だと思うので、それをちゃんとしてくれたのは良かったです。

参考資料[開設当初の実写版ホームページの画像]
がっこうぐらし3


 と言うわけで、実写化は大失敗するだろうと誰もが思っていた中で、割と現実的な落とし所を見つけてしっかりと落としてきたという意味では、なかなか出来の良い、クオリティの高い実写映画だったと言えるのではないでしょうか。
 

③ここはもう少し何とかして欲しかったポイント
 続いては、ここはもう少し何とかなったのでは、という点を。大まかに分けると、ゾンビ関連の話とシナリオ関連の話になるのですが、まずはシナリオから行きましょうか。

 と言っても、シナリオに対して声を大にして言うほどの不満はないです。先述したように今作は、割とちゃんとした着地点にうまく収まったという印象を受けるので。ただ、そうは言っても開幕の動きの不自然さは少し引っかかります。

 原作およびアニメでは、開幕は学園生活部の紹介をしながらの日常描写、そこから一気に急転直下、という感じで始まります。対して今映画では、学園生活部結成前の本当に本当の日常描写からスタートし、そこから場面転換して学園生活部結成後の生活、そしてお約束の急転直下、という流れで話が進みます。もちろん、わざわざ結成前描写を入れた意味はちゃんとあるんですが、それにしたって序盤の流れは少々粗い。さっきまで普通に学園生活を送って下校もしてたのに、場面転換があって突然くるみちゃんがシャベル持って学校で寝起きしてる様子があって、「え?」と思う暇もなく学校がゾンビだらけになってることが判明してさらに「え? え?」となる。この辺、特に初見の方がどう思ったのか聞いてみたい。私はこの辺の流れを知ってたけど、流石に急進展すぎてちょっと困惑しました。せめて、学園生活部の紹介のくだりはもう少し引っ張っても良かったのでは、と思います。

 また、個人的にはこっちの方が問題なんですが、肝心のゾンビの出来栄え。これについては、まあ確かにメイクは結構頑張ってたんですけど、予算の都合か規制の都合かは分かりませんが、ぶっちゃけそんなに出来は良くない。何がいけないって、圧倒的に血が足りないんだよ血が

 別に内臓引きちぎれとか腕もぎ取れとか、流血ドバドバさせろとかそういうわけではないんですけど、頭を殴ってもシャベルで刺しても、もしくはゾンビ相手に噛まれたりしても、血がほとんど画面に出ないのは如何なものか……また、身体に欠損のあるゾンビ自体がほぼいないので、ゾンビたちに個性があんまり感じられません。ゾンビに襲われる描写も、押し倒されて噛み付かれてピンチになる、という場面が結構多く挿入されていたので緊迫感も緩みがちなのが痛いところ。


④総評
 と、いうわけで総評なんですが、まあなんだかんだ一言で言ってしまうと面白いです。いち映画としてもなかなか面白い出来に仕上がっていますし、がっこうぐらしの実写版映画としてもかなり無難かつ非常に現実的な落とし所をつけてきた作品と言えるでしょう。友達と視聴後に話していた時は、『「いいかい、この辺に投げるんだよ?」と渡したボールを、まあ豪速球とか変化球とかのすごい球ではないけど、そこそこのスピードでちゃんとストライクゾーンに納めてきた映画』みたいな感じの評価に落ち着きました。良くも悪くも「実写化するならこのくらいの完成度があればまあいいかな」という期待の通りという感想が割と妥当だと思います。

 ただ、この難しい題材で期待通りのものを実際に作ったというのはかなり凄いと思うので、観に行こうか迷っている、という方はせっかくなので視聴してみてはいかがでしょうか? 個人的には、是非、がっこうぐらし自体が初見という方の感想をお聞きしたいです!

 追記:スピンオフでは失格したキャベツ検定ですが、映画内では合格していました。