IMG_1701

(画像:Amazon商品ページより引用)

 グラサンかけてるので分かりにくいですが、主演のおっさんはニコラス・ケイジです。そう、あのニコラス・ケイジですよ!
 ──最近無名映画でしか名前見ない……見なくない?(悲しみ)

 さて今作ですが、吹き替え版で見ました。とりあえず、まずは今作のあらすじ&予告編からどうぞ。

【あらすじ】
「その船は《狩猟場》と化したカリブ海を往く貨物船ミマー号、船倉の檻から脱走した2匹の“獣”それは史上最悪の《殺人鬼テロリスト》と、獰猛な《人喰いホワイト・ジャガー》逃げ場なき狩猟場で、猛獣ハンターのフランクは最凶の獲物を仕留められるか?©2019 PRIMAL FILM PRODUCTION, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.」

Amazon商品ページより引用)

【予告編】

ストーリー……C
動物の質………B
キャラクター…C
設  定………C

総  合………C +

【良い点】

・全体的に及第点以上の出来栄え

【悪い点】
・これという決め手になる強みがない
・動物があんまり出てこない

 ニコラス刑事主演の、王道を征くB級映画です。パッケージ絵から動物パニックものかと思いましたが、蓋を開けてみるとよくある人間VS人間もののアクション映画に、動物要素をちょろりと足した感じの内容になっています。
 全体的な出来は悪くないのですが、これという決め手に欠け、かつ動物たちが大暴れ! みたいなシーンもないので、物足りなさも感じる映画でした。






【以下、ネタバレ注意!】






 ニコラス・ケイジに釣られて見ました。役柄としては、なかなかハマってたと思います。

 さて今作ですが、ニコラス・ケイジが主演なこと以外は至って普通の王道B級映画となっております。「ニコラス・ケイジのあの映画好きだったなぁ……」という想いを馳せながら見ると良いでしょう(適当)

 では早速、詳細な内容を見てゆきましょう。まずは良い点からいきましょう。

 今作の良い点は、全体的なクオリティの高さです。

 今作はストーリー自体は非常にありふれた感じで、「船旅の途中で勾留されていたテロリストが脱獄し、同乗させられていた動物たちを船内に解き放つ。さらにテロリストは、自らの手でも軍人含む乗客を次々と頃してゆく。そんな中、ハンターの主人公は動物たちを檻に戻すため船内の捜索に乗り出し、テロリストと対峙することに。果たして、主人公と残された乗客たちは、この地獄と化した船から無事脱出できるのか?!」てな具合です。これ以上でも以下でもないので、構図としては民間人の主人公VSテロリストの対決に、トッピングとして動物大脱走を振りかけたような内容となっております。

 そのため、ストーリー自体はどこかで見たことあるような王道量産型あるあるタイプなのですが、動物たちが闊歩する船内の移動やテロリストとの対決、脱出手段の確保のための探索など、展開や目的が次々に移り変わっていくため、飽きずに視聴することができます──なんかこの文言はいつも言っている気がしますが、この「目的や展開をどんどん切り替えて飽きさせない工夫をする」という事が出来ていない映画がまあとにかく山のようにあるので、個人的にはここがちゃんと出来ているだけで及第点はあげられると思います。

 またキャラクターについても、自分の利益にしか興味がないと言いつつ、実は情に厚いところもある主人公や、主人公に嫌悪感丸出しで向かって来ていたものの、この非常時の中なんだかんだ信頼できる関係を築いてゆくヒロイン、ひたすらに非情さの塊であるテロリストなど、主要キャラはそれなりにキャラ立ちもしており悪くありません

 さらに動物のCGの出来栄えもなかなかで、動物組の中では主役にあたるホワイトジャガーくんなどは、悠々と闊歩する様や迫り来る時の迫力などもB級映画にしてはなかなかよく出来ていたと思います。


 と、ここまでなかなかいい感じの評価で来てはいるのですが……実はこの映画、それなりに大きな問題点も抱えています。それは、この映画特有の強みに欠けるという問題と、何よりもそもそも動物があんまり出てこないという問題です。

 私は今作のパッケージを見た時、船内で動物が逃げ出してパニックが起こり、主人公一派がそれの収拾にあたる話なのかな、と思いました。もしくはあらすじを読んでも、メインの敵はテロリストとジャガーの2本建てなのか、と思うはずです。つまりこの映画を見る時、おそらく大体の人は、「人間VS獣」という2大勢力、もしくは「人間VS人間VS獣」という3大勢力でのぶつかり合いを期待したはずです。しかし蓋を開けてみれば、今作のメインは「人間VS人間」で、動物たちは確かに脱走こそするもののおまけ程度の登場にとどまっています。

 正確には、映画の前半、動物たちが脱走した直後についてはホワイトジャガーにもそのほかの動物たちにもそれなりに見せ場はあったのですが、中盤の「テロリスト、主人公、ホワイトジャガーという今作の看板キャラたちが図らずしも一堂に会する」というめちゃくちゃテンションの上がったシーンを境に獣たちの出番は露骨に減り、後半はほとんどテロリストVS主人公たちの話がメインとなってしまいます。おまけに今作の看板であるはずのホワイトジャガーくんは、なんと直接主人公たちと対決することすらなく、「自分から檻に入ってころころしていたら主人公にこっそり鍵を閉められて捕獲される」という、非常に間抜けな最後を晒します。これには流石に萎え萎えでした。

 そんなわけで、展開のテンポ感自体は褒めても差し支えないものの、肝心の展開、特に獣関連の扱いに所々残念ポイントがあるのは実にいただけません。せめて、ホワイトジャガーとはきっちりと対決して欲しかった、その上で捕獲して欲しかったと切に思います。こんなところで展開を大きく盛り下げるのははっきり言って損でしかありません。

 また、この部分にはなんとか目を瞑るとしても、今作は展開もありふれていればキャラの出来もそこそこ、設定もよくある感じで目新しさはなく、動物たちも出番が少なくいまいち盛り上がらない……と、あらゆる要素が及第点以上の出来ではありながら、そのどれもが平均点止まり、悪く言えば中途半端で終わっているのも残念なポイント。まさに平均点、評価Cという感じの映画になってしまっています。何か一つでいいので「この映画、ここはすごく良かったよな」という要素があれば、総合評価B以上に化けるポテンシャルは十分秘めていながら、それが開花することはありませんでした。



 というわけで総評ですが、全体的な出来栄えは悪くなく全然見られるものの、これという強みに欠ける映画だと思います。特に、動物関連の扱いの雑さにはガッカリしました。いや本当に、せめてホワイトジャガーとはちゃんと対決して欲しかった、マジで。どちらかと言うと主人公に強い因縁があるのはテロリストの方ではなくホワイトジャガーの方なんですから、こことの対決を有耶無耶にしたままテロリストと対決されてもそれは盛り上がらんでしょうよ、と。あまりにもジャガーが間抜けにあっさり捕まる様には、もはや呆れた顔しかできませんでした。

 それでは、今回のレビューはここまでといたしとうございます。それでは、また。