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(画像:Amazon商品ページより引用)
 今回は恐竜映画です。余談なんですけど、恐竜映画界って未だに初代ジュラシックパークを超える作品が出てきてないのはなんとかなりませんかね……。

 それでは、今作の基本情報です。

国籍……中国映画
制作……2020



まずは今作のあらすじ&予告編からどうぞ。
【あらすじ】
明の時代。南の海に恐竜の住む島があるという噂が流れた。皇帝はそれを確かめるために、秘密警察を南の海に漂うその島に派遣した…。それから400年後。生物学者の周万里は、調査隊とともに「幽霊島」と呼ばれる恐竜が住むという伝説の島を発見し上陸するが、間もなく一行は連絡が途絶え行方不明に…。周万里の娘、周芳蕊は行方不明になった父を探すため、父の弟子である古代生物学者の陳良、サバイバル、医療、通信、セキュリティの各分野の専門家たちと捜索隊を結成。幽霊島に向けて出航した彼らだったが、まもなく原因不明の電磁波の影響で外部との通信が一切取れなくなってしまう。しかし、偶然にも彼らの前に突如、目的の幽霊島が。さっそく島に上陸した捜索隊は信じられない光景を目にする。色鮮やかな古代蝶の群れや、ゆっくりと歩き回る恐竜たちなど、既に絶滅したはずの古代の生物たちが次々と目の前に現れ…

アマゾン商品ページより引用)

【予告編】

ストーリー…… C
恐竜の質………B
キャラクター… C
設  定……… D

総  合……… C−

【良い点】
・恐竜の出来が良い
・短い(約70分)ので完走は容易

【悪い点】

・目新しさがない
・ジュラシックパークの劣化版と言わざるを得ない


 中国産の恐竜映画です。恐竜映画といえばCGがゴミクラスの作品も多いのですが、その点今作のCGはなかなか悪くない出来栄え。ただし、内容的には目新しさもなく、ジュラシックパークへのオマージュ?パクリ?が強すぎて、どうしても劣化版という印象が強く残ってしまう作品でした。






【以下、ネタバレ注意!】







 オマージュもここまでやりすぎたらもはやパクリでは……(懸念)


 さて今作ですが、2020年の現代に舞い降りた劣化版ジュラシックパーク3です。あんまり他の作品を持ち出して劣化版劣化版とレッテルを貼るのはいかがなものかとは思うのですが、今作に限っては……だってストーリー展開ほとんどジュラパ3と一緒だし……

 とりあえず、今作の良い点から見ていきましょうか。

 今作の良い点は、恐竜のCGの出来栄えがなかなかに良いと言うことと、本編が短いことです。

 まず、恐竜のCG関連について。今作は恐竜映画ということで、当然恐竜についてはCGが多用されているのですが、この出来栄えはなかなか悪くありません。もちろん、本家ジュラパに比べれば大きく見劣りはしますが、まあB級恐竜映画としてはこんなもん、むしろ結構良い方の部類に入るでしょう。

 B級の恐竜映画って、もう本当にCGの出来が酷いものが多くて、動きがぎこちないのは当たり前、場合によってはメイン画面と別撮りの映像で済ませていることもあれば、画面の上から貼り付けた感満載のCGで開き直っているものまでその酷さは様々。そういう映画って、「恐竜がキャラクターたちの目の前にいる」という感じが全くせず、緊迫感もクソもあったもんじゃないのですが、今作はこの辺りの「キャラと恐竜が一緒の空間にいる」という最低限の雰囲気はちゃんと出せています。動作もところどころぎこちないですが見れないほどではなく、総じてB級映画としてのクオリティは十分と言って差し支えないでしょう。CG関連の評価はC評価上位、恐竜映画でこのクオリティなら、と甘めにおまけしてB評価、という感じです。

 また、本編が約70分と短めなのもポイント。もちろん、映画なんて短ければいい、長ければ悪いというつもりは毛頭ないのですが、これまた世に蔓延るB級映画には「クソ面白くもないくせに展開の引き伸ばしや要らない会話シーンの連発で無駄に時間だけ長い」という映画がそれはもうサメの数ほど多いので、せめて短めにまとめてくれているというだけで褒めてあげたくなっちゃうんですよね。90分以上、ましてや2時間なんかになってくると、出来栄えによっては意識が朦朧としてくるのですが、「まあ70分なら見れるな」となるのはかなり大きいです。実際今作も、最後の方は結構ダレてきていたのですが、「そろそろキツイな」と思ったあたりで終わってくれました。「無駄に長くせずに短くまとめられて偉いぞ」と素直に思いましたね。それでいいんだよ、それで。


 と言うわけで、良い点は以上でした。続いては悪い点を。今作の悪い点は、とにかく内容に目新しさがないと言う点と、そのせいでどう見てもジュラパ3の劣化版にしか見えないと言うことです。ここは結構キツかった。

 今作、話の流れ的には、「とある島の調査に向かい、そのまま行方不明となった父を探すため、娘が探索チームを率いて上陸してみると、そこには恐竜たちが闊歩していた……」と言う感じの内容。そしてまあ、なんだかんだ恐竜に襲われて、なんだかんだ生きてた父を見つけて、なんだかんだあって脱出して終わり、という流れで、目新しさとか言ったものが全くなく、王道も王道、王道すぎてもはやテンプレ展開を堂々突き進むのが今作の特徴です。

 それだけならまだしも、今作はストーリーの細かい部分の流れに関しても、完全に某恐竜テーマパーク映画シリーズへのオマージュが満載で、それがまたさらに今作に対する「見たことある展開だな……」という既視感を強めてしまっています。例えば、「ティラノサウルスに襲われてる主人公たちを助けるために、仲間が発煙筒を持って駆けつける」「今にも人間に飛びかかろうとしたラプトルを、突如乱入したティラノサウルスが食べてくれたおかげで助かる」「仲間の研究者が恐竜の卵を発見し、調査のためにと持ち帰ろうとしたせいで付け狙われることになる」「主人公たちが恐竜に襲われているところに突然煙幕が投げ込まれたが、なんとそれは島で1人生き残っていた捜索対象の人による助けだった(ここで初遭遇)」などなど、もう随所にこれでもかと言うほどジュラパのオマージュ要素が盛り込まれまくっていて、ここまできたら流石に「いやもういいわ」となるレベル

 そもそも、「行方不明者を探しに島に上陸→恐竜発見→1人生き残っていた捜索対象に煙幕で助けられる→海岸目指して移動→卵を盗んでいたのが発覚→なんとか脱出」というストーリーの大筋の流れが完全にジュラシックパーク3であるにも関わらず、細かい展開なんかもいちいちジュラパシリーズを完全に意識しているせいで、常に脳裏にジュラパシリーズの影がちらついて、ぶっちゃけ質の悪いジュラシックパーク3を見せつけられている気分になってくるんですよ。話の流れも同じ、展開も似てる、なんなら細かい部分までいちいちジュラパ……ですからね。一体本作がジュラパと違うと胸を張って言える要素がどこにあるのかと言うと、最終局面、恐竜の骨が広がる可燃性ガス蔓延エリアでライターに火をつけてティラノを爆殺すると言う「これキングコングから取ったな」と一発で分かる、これまたオマージュ要素くらいしかないですからね。

 こんな具合なので、今作独自のオリジナル要素、独自要素といえるようなものはまるでなく、ジュラパシリーズを意識しすぎているせいで、見ているこちらとしても「いやこれ見るくらいならもう一回ジュラシックパーク3見た方が面白いわ」という感想にしかならないんですよ。いや本当に、オマージュもここまでくるとお腹いっぱいを通り越してパクリに片足突っ込んでるんだよマジで。流石に小ネタ部分だけに留めるか、話の大筋は同じだとしてもそこに至るまでの細かい展開部分で差を見せるとか、どこかしらはちゃんと本作独自の工夫を見せてくれないと、「大筋も同じ、細かい展開も同じ」じゃ単なる劣化コピーやんけ、と思ってしまうわけです。



 と言うわけで総評なんですが、恐竜のCGの出来も悪くなく、ストーリー自体もまあ短めにまとまっていて好感が持てるんですけど、肝心の内容が完全にジュラシックパーク3なので、これを見るくらいなら久しぶりにもう一回ジュラパ3見ません? 僕はジュラシックパークシリーズが大好きで、至高はやっぱり初代だと思うんですけど、実は2番目に好きなのが今作、ジュラシックパーク3なんですよね。

 単純にグラント博士が好きっていうのもあるんですけど、島への上陸と行方不明者の捜索、そしてそこからの脱出──という、このまさに王道を征くモンスターパニックもの感が結構お気に入りで、それこそ高校生くらいの頃は録画したビデオを何回も何回も繰り返し見てました。もちろんロストワールドやジュラシックワールドも好きなんですけど、あえてこの「脱出劇」という部分だけに焦点を当てた今作、この部分こそがまさに賛否を分ける部分だとは思うんですが、やっぱりこのクオリティで脱出劇に焦点を当てた恐竜映画っていまだに存在しないですからね。僕はまさにこのサバイバル感にやられてしまって、未だにシリーズ中でも2番目に好きな作品になっているんですよ。
 でもまあ、やっぱり最高傑作は初代なんですけどね。

 と言うわけで、話が長くなってきましたので、今回のジュラシックパーク3のレビューはここまでにしておきたいと思います。ご拝読ありがとうございました。